ジルに伝えたい沢山のこと
ねえ、ジル
ある日突然思ったの
この10年間と言うもの、家に帰ったら必ずあなたがいる
旅行から帰って来てもあなたがいる
仕事から帰って来ても当然あなたがいる
要はどんな時も玄関を開けるとあなたがお家で待っていてくれるって
当たり前なことだと思っていた
それからなぜか数日間連続、朝目覚めると「もしジルがいなくなったらどうしよう」という不安が頭の中を駆け巡ったの
その数日後にあなたの癌が発覚したのよね
ねえ、ジル
伝えたかったの?
具合が悪いって伝えたかったの?
ごめんね、気付かなかった
気付けなかった
気付いてあげられなかった
お見舞いに行くとあなたは決まってニャーゴニャーゴ訴えてくる
「どーなってんの?」
「なんで家帰れないの?」
「てか病院超嫌いなんだけど」
「はよ家に連れ帰って」
頭をコツンコツンと私にぶつけたいんだけど、エリザベスカラーがすっかり邪魔しちゃってね…
大丈夫よ、ジル
あなたはもうすぐしたらちゃんとお家に帰れるのよ
私は毎日祈っているわ
数ヶ月後も半年後も、そして来年もあなたと一緒に過ごしているって
大好きなジル
明日も会いに行くからね
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