大会を終えて

大会が終わった

無事、終えることができた


大会に向けて2ヶ月間に及ぶ練習が始まり、

いつも滑っている地元で開催されることもあって

毎日全国(日本)からトップクラスのスケーター達が練習しに来た

その中にはオリンピックメダリストもいる

オリンピックだけでなく世界中に遠征して結果を出している選手も続々と来た

皆、普通に練習していて普通に息子と話してくれる

そしてとんでもない技を繰り出す


そんな2ヶ月間


そこに小学生1年生の男の子がぽつり


誰よりも小さく誰よりも未熟極まりない


この猛者たちが集まる中での練習方法は決して優しいものではない

いわゆる「さし合い」と言われるやり方が行われる

この「さし合い」とはいわゆる早い者勝ち

我先にとドロップインする

この早い者勝ちに勝てないと永遠に滑ることができない

つまりは練習ができないということ


周りはとんでもない経験値を持つスケーター

海外では「さし合い」が当たり前だから皆上手い

ドロップインするタイミングや、今滑っている子がどこで終えるか、失敗するか

皆今か今かとその時を虎視眈々と狙い続ける

その目つきは立派なハンター


経験を積んでいるものはこの「さし合い」がとにかく上手い

なぜなら皆のルーティーンを覚えてしまうから


この「さし合い」においては同時に数人がドロップインすることは当たり前

(最大7人だったね)


その場合は自分がドロップアウトして相手に譲るべきか

暫く滑り続けて次に行けるタイミングを待つべきかを瞬時に判断する

皆ものすごい勢いでドロップインするからその勢いでぶつかるととんでもない怪我をする

それが予測できるから恐怖心が生まれる


つまりは常に集中して、周りを見る目を養わないとこの戦いには勝てない


こんな熾烈な争いを経験したことはない息子

当然15分経っても30分経っても滑れない

時に周りが見かねて1~2回は行かせてくれるけど、1日を通して1~2回


だけど息子は諦めなかった

泣くこともなかった

諦めてパークを後にすることもなかった


中にはこの「さし合い」に諦めて大会出場を諦める子もいる


ある日なかなか行けない息子にこう質問した

「行けない時はどう思っているの?」

答えは

「悔しい」の一言

私はその答えに安心したのを覚えている


そんな息子は日が経つにつれてこの環境を受け入れることができ始めた

「なんか混んでいるのに慣れてきた!」

「混んでるの大丈夫!」

「なんか楽しくなってきた!」

そして

「俺、もう大丈夫!行けるよ!」


その言葉の通り息子はこの「さし合い」に慣れ、日に日に滑る回数が増えていった



大会が近付くに連れて更に過酷な練習現場になっていくが

スケーターたちの雰囲気はとにかく良い

皆が皆、仲が良い

笑顔が絶えない


誰かが転べば皆が心配する

誰かが成功するとみんなで盛り上がる


なぜ?

それは皆が皆、自分自身と戦っているから

その大変さを皆知っているし、技の難易度も知っている

だからこそ誰かが成功すると皆、心から「ヤバーーーーー!!!」て声が上がる


今回、練習期間も含めこの大会を振り返ると

息子はつくづくとんでもない環境に身を置かせてもらったのだな、と思う


全国から集まったとんでもないスケーターたちと共に練習させてもらい

世界に通じる練習環境に身を置かせてもらい

そして可愛がってもらい…


この2ヶ月間で経験させてもらったことは息子にとって素晴らしい財産となったことでしょう



この大会は2024年パリオリンピックに向けての強化選手選抜大会でした

(私はその仕組みが詳しくはわからないのだけどね)

そんな大会において息子は最年少


その大会に向けて息子は自分で45秒間のルーティーンを組み

そのルーティーンをひたすら練習し

大きな怪我をすることもなく無事大会当日を迎えることができた


大会当日は緊張することもなく2本中1本はフルメイク!


「欲しいものは自分の力で手に入れなさい」

「結果よりプロセスが大事」

これらは私の息子に対する教育持論


私がこの2ヶ月間で息子に得て欲しかったものは

「強い心」


私は息子を「この子だったらやり抜くことが出来る」と信じ続け見守り続けた

そして息子は自分自身を信じ続けた


大会結果はもちろん予選落ち

ビリから2番目

ただ、オリンピック公式採点方法で22.67点という点を付けてもらったことはとにかくありがたかった


スケボーを始めて2年半、パークスタイルを練習し始めてちょうど1年

全部自分で考えたルーティーン

そしてフルメイク

この結果が今の息子の実力


ある日息子は言った

「ママ、俺はスケボーを始めた時から”俺はひとりで上手くなる!”て決めてたんだ。だから俺はもうスクールは受けないよ」


この先どうなるの?

それは私には全くわからない

だけど自分の好きなものにきちんと向き合えば必ず道は開けて来る





頑張れ少年

あなたならできる











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